タクシーに乗ったおばけ

こどもの頃の読書体験は、
自分にとっての、うそのない想いが強烈にのこっていいます。


童話のようなものや、小説のようなもの、
あるいは詩のようなもの。


それらしいものをつくることは、
そんなに難しいことではないと思います。
ことばを並べて、なんらかの描写をつなげていくと
紙の上に「それらしいもの」が出来上がる。

でも、そこに何かがあるのかを、
読んだ瞬間に、心は読み取ってしまう。


それを、自然なこととして大人になった今、
自分のなかにある、たしかなものを、
一度取り出してみようと思いました。


飛ぶ教室」第22号(2010年夏)
童話部門の賞で、選者の今江祥智さんに、
批評してもらえたこと、とても勇気がわき出る出来ごとでした。