本談会

6月9日(日)に行われるブックイベント『ブックカーニバル in カマクラ 2013』。
今回は豪華なゲストをお招きして、本の作り手の方々からお話を伺える、本談会が催されます。
中でもお勧めは、港の人主催の里舘勇治さん。港の人は、古都鎌倉にある、詩人北村太郎の詩集を冠した出版社です。




青の時代

世の中にはなんとたくさんの
学問があることかと呆れるひともいよう
緑の
ふかいじゅうたんに寝そべって
コルトレーンにこるひとも
革命の無意味について快活に論ずるひとも

あるいは沈黙して
こころのグロテスクをかんがえるひとも
しらけきった物質と
きちがいじみた目の色との関係について
澄んだ空をあおぎ
息をころす
思想家も
あるいは汗とにくたいと精神の
たぐいない繊細な秩序にうなだれるひとも

だが
きみたち
ときには思いだしてくれ
きみたち
向かい風の冬の滑走路を全力で直進し
いま飛びたとうとする轟音のかたまりのように
決意することができると

あるいは
獲物をねらって
徐々にたくわえた力をとつぜん無にし
一直線に落下するあじ刺しのように
実をまかせることができると

それがなんであるか
だれも知らぬ
ほこりを吹いて手袋でこすると
古い木に
現れてくるひとつのことばのように
それはある日
きみに鉛のためいきをつかせるかも知れぬ
そう
その日
きみの青の時代に




北村太郎 未刊行詩とエッセイ 1946-1992 光が刺してくる』(港の人)を手にした人は、きっとこの本がどんな想いでつくられたのか知りたくなるはずだと思います。

光を、そして希望を込めた本を創り続ける編集者里館さんのお話は、由比ヶ浜通り、古民家スタジオ・イシワタリさんにて、10:00〜10:50。

お申し込みは、bookcarnival777@gmail.com
0467-67-8444(books moblo 荘田)までです。