『石の遊び』

心耳と書いて、耳をすますことなのだという。

‥… 自分の内側に耳をすますことを忘れれば、心は空っぽになり、軽やかかもしれない。時折押し寄せるようにざわめき始める身体と心に耳をすますことは、黒々とした沼をのぞき込むように思える。忘れることのできないことが、ごろりと沈む沼に心の耳をするすると沈め、ひととき佇む。「みじろぎもせず」耳をすましてみる。

『石の遊び』 華雪平凡社) 品切れとなっていましたが、入荷が叶いました。

字を書く。そのとき、どんなことをその人は思っているのだろう。書家華雪の文字とことばの世界。
美しい本の在り方にも魅了されます。